白目やまぶたの裏側の粘膜が、腫れて水脹れになったような状態です。細菌やウイルスなどによる感染性と、花粉やハウスダスト、動物の毛などのアレルギー性があります。どちらでも目やに、異物感、充血、かゆみなどの症状がみられ、鑑別できないこともあります。多くの症状は点眼治療で改善しますが、ウイルス性の場合は特効薬がなく、感染力が非常に強いことが問題となります。当院では、ウイルス性結膜炎かどうかを確認できる簡便な検査キットを常備しております。
網膜に像を結ぶ水晶体が濁ると、物がかすみ乱反射でまぶしく見えるようになります。これが白内障です。
主な原因は加齢ですが、ステロイド投与、アトピー、糖尿病、外傷なども発症要因になります。
診断は細隙灯検査で簡単に行うことができます。白内障は日常生活にお困りでなければ経過観察を、お困りであれば手術をおすすめします。目薬で濁りは改善しませんので、濁りを除去し人工レンズに入れ替える手術が唯一の治療です。
眼圧(目の硬さ)上昇などで徐々に視神経が障害される状態です。緑内障は、日本人の失明原因の第一位で、40歳以上のおよそ20人に1人が罹患しているとも言われています。人間ドッグで眼圧の異常や視神経の形の変化の異常を指摘されることで、診断がつくこともあります。初期には自覚症状はありませんが、徐々に周辺の視野(見える範囲)が障害され、中心付近にまで及んだ段階で初めて気づくことが多いです。一度失われた視野は元に戻らないため、早期診断がとても大切です。
診断には、細隙灯検査、眼底検査、眼圧、OCT(光干渉断層計)、視野検査などが必要です。
治療は点眼療法によって目標とする眼圧まで下げることが基本です。経過観察のために、眼圧検査は1〜数か月ごと、視野検査は数か月ごとに行います。点眼で視野が維持できる目標眼圧まで下がらない場合には、失明を防ぐために手術が必要となることもあります。
涙の量や質が変化して、目の表面が乾燥する病気です。加齢、長時間のパソコンやスマホ操作、室内の乾燥、コンタクトレンズなどが危険因子です。とくに女性に発症しやすいのも特徴です。症状は目のゴロゴロ感、痛み、充血などですが、角膜の傷が強いと視力が低下することもあります。細隙灯検査、生体染色検査などで診断が可能です。
治療は基本的に目薬ですが、重症の場合は、涙の排水口をふさぐ涙点プラグ挿入術を、最重症の場合は涙小管閉鎖術を行います。どちらも当院で診断と治療、手術が可能です。
映像を読み取る神経の膜である網膜が剥がれてしまった状態を網膜剥離といいます。原因は網膜の内側にある硝子体というゲル組織が縮小し、網膜を引っ張った結果、穴が空いて剥離が起こります。打撲など外傷が原因になることもあります。初期症状には、目の前に黒点や線が浮かぶ「飛蚊症」や、光がちらつく「光視症」があらわれることがあります。進行すると、視野欠損やカーテンが降りてくるような症状を自覚するようになります。放置すると失明の危険がありますので、上記のような違和感がある方はすぐに受診してください。早期に発見できればレーザー治療で対応できることも多いですが、進行して広範囲の網膜剥離になってしまうと手術が必須となります。
高血糖が長期にわたり持続すると、全身にさまざまな合併症が起こる可能性が高くなります。糖尿病の方は、網膜の毛細血管に障害が起こる「糖尿病網膜症」が問題となります。初期は眼科的な自覚症状がありませんので、内科で糖尿病の診断があった方は、無症状でも眼底出血がないか眼科を受診してください。進行すると、眼底出血や網膜剥離などで目が見えなくなる (失明) のリスクがあるため、高血糖を是正して合併症を防ぎましょう。
※そのほかの目の疾患については、ただいま準備中です。